1000匹の犬

サイタローの感想ブログ

ほっこり(?)系ホラー短編集「などらきの首」感想文

比嘉姉妹シリーズの短編集「などらきの首」読みました。

「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」よりも気軽に読めるところがいいですね。

面白かったです。

 

などらきの首 (角川ホラー文庫)

 

「ゴカイノカイ」

事故物件の話。若かりし頃の真琴が出てくる。

あとがない(と思い込んでる)人間が限界を超えて頑張っている。

私なんかはそんな職場辞めちゃえばいいじゃーん!としか思わないけど、抱え込んでしまう人もいるんだよね…

まあでも、怪異のおかげで気づいてもらえたし救い出してもらえてよかったよね(?)

真琴の正義感が心地よくてよかった。人間捨てたもんじゃないな、となった。

大家の梅本は真琴を信じた時点で見る目があると思うよ。

 

「学校は死のにおい」

ずうのめ人形に出てきた真琴の姉、美晴が主人公の話。

小学生の真琴も出てる。琴子もちょっと出てくる。

「一致団結」「集団行動」「みんな仲良し」を美徳とする日本の慣習ってクソだよね!ってなる話。

個人的に「クラスのみんなで団結を高めよう!」みたいな教師は1ミリも信用できないと思っていますが、そういう派閥があることは理解できる。

でも、自分のその信条の維持?保身?のために生徒の死因を捏造してしまうのはアウトだよね……

学校って特殊な環境だよな~となる話。

あとやっぱり因果応報はあるので将来のためにも悪いことはしないほうがいいね。

自分が霊を救った(?)ことで思いがけず人間が2人死んでしまったけど、美晴がこれで病んでしまわないことを願います。

 

「居酒屋脳髄談義」

明確に名前が出ているわけではないですが、おそらく琴子のはなし。

飲み会で気の弱い女の子をイジるのが生きがいのおじさんが世間にいっぱいいるとは思いたくないな…

むなしい話だった。

弁が立つ琴子がかっこいい。

こういう大人になりたい。

 

「悲鳴」

おそらく、ずうのめ人形の登場人物「里穂」の大学生時代を描いたはなし。

里穂の言動の描写はそんなに多いわけではないですが、申し訳ないけど「これは友達できないタイプかも…」と思ってしまった。彼氏はいるけど友達はいないタイプね。

いや、でもさーーーちょっと同情してしまった。里穂に。

確かに良いやつではないし、過去にしたことは許されないけど、この特殊能力(ネタバレしますが里穂は「言霊使い」である可能性が示唆されます)がなければ、もうちょっと違う人生を歩めたのではないかと……

ていうかずうのめ人形の人形を退ける呪文が里穂だけ有効だったのはこの能力のおかげか…みたいな気付きがありました。

卒業してからもその場所に執着する大人はたいてい訳あり。(学び)

 

「ファインダーの向こうに」

野崎、真琴、ずうのめ人形に出てきた編集部メンバーが出てくる、過去作読んでると倍楽しい話。

事故物件話かと思いきや、やさぐれたカメラマンが初心を取り戻す良い話だった。

いい話。

 

「などらきの首」

野崎の学生時代の話。若野崎が可愛気なくてかわいい。

解決したと思いきや解決していないはなし。

古い言い伝えに軽々しく首を突っ込んではいけないね~~~となる。

首を取り戻したなどらきさんは、これからどうするんだろうか…

 

サクッと読めてよい短編集でした!

次はなに読もうかな~~~